●進捗のご報告とお詫び

レイルロードスイッチの長編映画化プロジェクトは、2018年の3月にはじまりましたが、

2022年の4月現在、製作を続けているものの未だ完成に至っておりません。

そして、これまでご報告ができずに至ってしまったことを心よりお詫び申し上げます。

長編映画への企画は自分の中で継続的に進めておりましたが、色々と思うところもあり脚本の書き直しを何度も繰り返しているうちに現在まで至ってしまいました。

多くの時間がかかり、大変お待たせをしてしまい本当に申し訳ありません。

初志貫徹の思いで、長編映画を必ず完成させることを改めてお約束いたします。

 

 

●経緯

これまでの経緯をご説明いたします。

2018年に短編映画を公開してから、長編映画を作るにあたり、継続的に当事者の若者たちへ取材を重ねてきました。

そして児童養護施設出身で当事者活動をしている若者たちのグループに参加し、多くの声を聞いてきました。

また、ボランティア団体にスタッフとして参加し、様々な課題に直面する若者たちの相談に乗ったり、時には支える場面もありました。

2019年にはACHAプロジェクト代表の山本昌子さん、ブローハン聡くんと一緒に当事者によるYouTube情報発信番組「THREE FLAGS -希望の狼煙-」を立ち上げ、現在まで共に活動をしています。(https://www.youtube.com/channel/ UCcfuoC8l6QPvK2cqLCQ0_JQ)

僕が映画を作る際に抱いていた問題意識や同じ志を抱き、現状の課題を解決しようとする若者たちや支援者の皆さんと出会うことができたことは僕にとってかけがえの無い人生の宝となりました。

 

2018年から長編の脚本を書きながら、たくさんの葛藤がありました。

大きな葛藤のひとつが、「笑い」の表現についてでした。

短編のレイルロードスイッチを見た当事者の方の中には、「当事者を馬鹿にしている」という思いを抱いた方もいらっしゃいました。

僕が「お笑い」をテーマにした最初の理由は「暗くシリアスな作品にしたくなかった」「当事者だって明るく生きている」ということを描きたかったという思いがあり、難しいテーマだとは思いつつもあえてそこにチャレンジしてみました。

しかし、当事者が傷つく表現をすることは絶対にあってはならないと改めて反省しました。

脚本の中で「お笑い」をどう扱うか、または扱わないのか。扱うとしたらどのような表現が適切なのか。

現在の方針が決まるまでは何度も書き直しをしながら考え続けました。

 

そして、もうひとつ大きな葛藤だったのが「現状の課題がどんどん変化していくこと」でした。

現場の最前線で支援活動に携わる人々や、若者たちの話を聞きながらテーマを設定をして書き進めていても、法律が改正したり法的に改善する流れができてきたりと、ここ数年で社会的養護に関わる動向が目まぐるしく変わっていくことを肌で感じることが多くなりました。そこで当初描きたかった問題意識の部分とのズレが出てきてしまうということもありました。(児童養護施設での措置年齢の原則18歳までの制限撤廃、子ども基本法の審議、児童相談所の増設案、子ども家庭庁の創設など)

加えて児童養護施設の体制自体も大きく変化をしていることも感じています。

描くテーマの「鮮度」の重要性、必要性を考えつつ調整しつつも、やはり根本から違うのではと悩むこともありました。

 

そしてコロナ禍であることも、物語作りへ大きな影響を与えていました。

 

そうしているうちに何度も何度も書き直しを重ねるうちに現在まで至ってしまいました。

 

紆余曲折の末、現在は描くべき普遍的なテーマも見つけることもできました。

今はそれを物語としてどう展開させて着地できるか思案を重ねている最中です。

 

一方で、本プロジェクトがなかなか前進しない大きな要因がもう一つありました。

大変ありがたいことなのですが、多くのプロジェクトを同時進行で進めている中でも、僕が監督として参加しているTokyoCowboysの連続ドラマ「The Benza」シリーズがあります。 ( https://www.tokyo-cowboys.com/thebenza )

2018年に短編映画が作られ、それが海外で30以上のタイトルを受賞したことをきっかけに、webドラマシリーズとして継続的に作り続きてきた作品です。

現在Amazonプライムなど複数の配信サイトにて世界130カ国で配信されており、ドラマシリーズ(計20本)としても世界各国で数々の賞をいただいております。

 

レイルロードスイッチの長編も、この勢いに負けることのない素晴らしい作品に仕上げたいと思っております。

また進捗があり次第、こちらでご報告をさせていただきたいと思っております。

 

 

●ご返金対応について

これまで、映画が前進していないとのことでご支援者様からご返金のお問い合わせがございました。

お待たせしてしまっているにもかかわらず、良いお知らせが全くできていない現状については私の至らなさを猛省し、できるかぎり迅速にご返金の対応をさせていただいております。

ご返金のお問い合わせにつきましてはお手数ではございますが、こちらのフォームよりご連絡ください。

 

 

●今後について

時期の見通しについては2022年夏以降に撮影、来年春以降の完成を目指して脚本製作に取り組んでおります。

今後も本プロジェクトについては初志貫徹の思いで、全身全霊をかけて取り組んでいきますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

 

 

2022年春  西坂來人